Youtubeなどでよく「開封動画」と言うものを見かけます。あれは問題ないのですか?

A:基本的に問題ありません。

開封動画とはある商品のパッケージを開封して中身を取り出す様子を撮影したものですが、基本的に問題はないと考えられます。

商品のパッケージ画像や商品の外見(デザインなど)など、工場で大量生産される実用品は著作権ではなく意匠権で保護されるべきものだからです。
商品パッケージや商品デザインが著作権で保護されるには、それ単体で「美術品」と呼べるほどの作品である必要があり、実際には相当厳しいようです。
(ファービー事件など)

意匠権は他人が似たデザインの商品を作って販売することを防ぐためのものですから、商品をカメラで撮って動画サイトにアップロードすることまでは規制することはできません。
そのため開封動画は問題ないということになります。

なお、商品などに付いている文字だけのロゴマークは基本的に著作物ではないと考えられます。
なので、画面に写しても問題はありません。
仮に著作物となるロゴマークの場合でも、軽微な写り込みに関しては違法とはなりません。
(⇒写真等への写り込みを参照)

問題があるかもしれない開封動画

問題になる可能性があるものに「CDの開封動画」があります。
CDジャケットは著作権で保護されますので、ジャケットを撮影してネットにアップロードすると著作権侵害になります。
もちろんその動画のBGMにCDの音を使用していれば別の意味で問題となる可能性があります。

「トレーディングカードの開封動画」も同様で、カードの図案自体が著作物となる可能性が高いです。
特に漫画やアニメのカードはほぼNGでしょう。

上記と関連しますが「漫画やアニメなどのキャラクターグッズの開封動画」も、キャラクターが著作物になるのでこれもNGとなる可能性が高いです。

ただし、実質的な問題はほぼない

著作権侵害というのは権利者が訴えて初めて問題となります。
開封動画が違法になるといっても、それを公開されることによって権利者が受ける被害、損失というのはほぼないと考えられます。
そのためほとんどの権利者はたとえ著作権的な問題がある開封動画であっても放置するのではないかと思います。
むしろ宣伝になるので訴えるほうがデメリットになると考えるかもしれません。

開封動画は何のためにあるの?

よくわかりませんが、新商品などの場合はどんな感じで箱に入っているのだろうと気になる人がいるようです。