著作権侵害って要は勝手に金儲けするのが悪いんでしょ?金儲けしなければ大丈夫ですよね?

A:基本的にお金は関係ありません。

著作権は作者が持つ「権利」です。
その権利を持たない人が勝手に権利を行使することは著作権を侵害する行為となります。

著作権法には「他人の権利を勝手に行使して『金儲けをしたら』侵害になる」とは書かれていません。
つまり、金銭のやり取りは侵害になるかどうかの判断基準ではないのです。

ただ、著作権法では特定の条件であれば著作権侵害にはならないことが定められています。
それが著作権の例外です。
この例外規定の中には「営利を目的としない場合」が条件となっているものもあります。

別に金儲けしていないなら合法でもいいんじゃないの?

勝手に金儲けしていないならば法律で規制しなくても良いのでは、という意見は一見正しいように思えます。
しかしそれではやはり不都合があります。

自分は儲けていないからと、例えば有料の音楽CDをコピーしてみんなにタダで配ったりされるとどうなるでしょうか。
当然、その音楽CDを作っている会社の売り上げに影響します。
金儲けしていないから、というのは合法にできる理由にはならないのです。

じゃあ金儲けもせず、売り上げにも影響しない方法なら合法でいいんじゃないの?

企業などの売り上げにも影響せず、自分も金儲けをしていない。
こういった行為は合法にしても良いだろう、という意見はある意味では正しいです。
実際にアメリカではフェアユースという、使用目的の正当性などの一定の条件を満たした場合には著作権侵害にはならない、という考え方があります。

しかし日本には今のところフェアユースという考え方はありません。
フェアユースを導入することは一見プラスのようにも思えますが、何が著作権侵害に当たる行為であるかがわかりにくくなるというデメリットもあります。
自分ではフェアユースのつもりで著作物を利用したが、著作権者はそうは受け取ってくれずに裁判沙汰になる、ということも考えられるのです。
そういうあいまいな状態を作るよりは今の日本の著作権法のほうがわかりやすいという意見もあります。