著作者の許可がいらない使用方法

著作権の例外規定(著作権法30~50条)

今までの説明で、著作物を利用場合は著作者(または権利者)の許可を取る必要があると言いました。
しかし、ごく個人的な利用などでもいちいち許可を求めていては非常に手間ですし現実的ではありません。
そのため、あらかじめ決められた範囲での利用であれば許可を取ることなく著作物を利用できるようになっています。
これを著作権の例外規定著作権の制限といいます。
すでに説明した私的使用のための複製も著作権の制限のひとつです。
(⇒複製権と私的複製参照)

著作権の制限の例

一般人に関係のありそうなものだけをピックアップします。

名称

説明

私的目的のための複製

自分または家族が使用するための目的であれば著作物を自由にコピーできる。
ただし「誰もが使用できる自動複製機を使ってのコピー」「技術的保護手段(コピーガード)を回避してのコピー」「違法ダウンロードに該当する場合」は私的目的でも違法。
詳細は⇒複製権と私的複製

付随対象著作物の利用

写真撮影やビデオ撮影の際にたまたま他人の著作物が写り込んでしまった場合は、それを除去することが困難な場合には、取り除かずにそのまま使用できる。

引用

自分の著作物内に他人の著作物を引用することができる。
その場合には原著作者に不利益にならない範囲で、引用する正当な理由が必要。

学校その他の教育機関における複製等

学校その他営利を目的としない教育機関で、教師または生徒が授業で使用する目的の場合は必要な範囲内で著作物を複製できる。
ただし原著作者の利益を不当に害することはできない。

営利を目的としない上演等

営利(金儲け)を目的とせず、客から料金を取ったり出演者に謝礼等を渡さない場合は著作物を無断で上演(演奏、上映、口述)できる。
その他、テレビを用いた放送の伝達や著作物の無償貸与などができる。

公開の美術の著作物等の利用

屋外に設置されている美術品は、写真撮影などの方法で利用できる。
ただし同じ物を作ったり有償で譲渡したりはできない。
 

美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等

美術品の所有者が、その美術品を他人に(有料・無料問わず)譲る場合や貸与する場合に、その美術品の画像などを複製したり公衆送信したりできる。
ただし著作権者の利益を不当に害しない措置が必要。
 

電子計算機における著作物の利用に伴う複製

パソコン等で著作物を利用する場合、効率的な処理をするために必要な範囲で複製できる。
 
 
 

他にもありますが、日常生活で関係しそうなものはこのくらいです。

長くなるので個別ページで説明します。

  • 作者の許可がなくても無断で著作物を利用できるケースがいくつかある