あるアーティストの曲を使って文化祭でダンスを披露する予定です。これは許可が必要ですか?

A:許可は必要ありません。

著作物を利用して何かをするには基本的に許可が必要ですが、許可を取ることなく使用できる例外がいくつか存在します。
非営利での上演がそのひとつです。

CDなどの公表された著作物(つまり売られているものなど)は、営利を目的とせず、観客から料金を受け取らない場合は無断で使用することが出来ます。
文化祭は普通は誰からもお金を取らないのでこの範囲になります。
(⇒非営利での上演等参照)

非営利の場合に許されているのは「上演」「演奏」「上映」「口述」の四つです。
(「貸与」も可能です)
音楽CDを流すのは著作権法上は「演奏」に当たるため、非営利目的であれば不特定多数に音楽CDを聞かせることができます。

さらに学校の授業で使用する場合は学校などの教育機関における複製にも該当します。
文化祭も授業の一環とみなされるので、必要なら複数のCDから曲を寄せ集めてCD-Rにまとめたり、パソコンなどにコピーしたものから曲を再生したりといった使用方法も可能です。
(⇒学校で著作物を使う場合参照)

当たり前ですが複製した音楽CDを来場者に配るなどはできません。

出演者に出演料を支払う場合はこの例外規定は適用できません。
例えば出演料を支払って文化祭に有名人を呼ぶ場合などは、著作物の利用について著作権者に許可を取る必要があります。

なお、ダンスも著作物になり得ます。
他人が創作したダンスであっても、非営利であれば振付をそのまま演じることができます。

文化祭の範囲を超えた利用はNG

それらの出し物の様子を撮影したものを後日配布するというのは文化祭(授業)の範囲を超えると考えられますので無断では出来ません。
音楽をカット(無音化)するなど、他人の著作物が入らないように編集されたものであれば問題はありません。

(営利を目的としない上演等)
第三十八条
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

(学校その他の教育機関における複製等)
第三十五条
学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。