クラシックなど大昔の作品であれば自由に使っていいですか?
A:二次的著作物や著作隣接権に注意しましょう。
バッハやモーツァルトなど大昔の人間の作品はとっくに著作権が切れています。
(⇒著作権の保護期間)
こういった作品はパブリックドメインといって誰もが自由に使用できる状態になります。
(⇒自由に使える著作物)
ただし、その作品を元に作られた二次的著作物には、その二次的著作物の作者に新たに著作権が発生します。
またバッハの曲を演奏すれば演奏者に、CDにして発売すればレコード会社に著作隣接権が発生します。
(⇒二次的著作物(二次創作)について)
(⇒著作権の種類)
(⇒著作隣接権)
つまりバッハの曲をロック風にアレンジしたものや、バッハの曲を収録したCDなどは勝手に使用することは出来ません。
それらの作品を自由に利用したければそれらの作品の著作権、著作隣接権が切れるまで待つ必要があります。
(もちろん権利者に許可を取れば問題はありません)
古いレコードの中には著作隣接権も消滅しているものもありますので、そういったものは自由に扱えます。
バッハが作った作品自体の著作権は消滅していますので、自分で演奏したものをネットに公開したり自分なりにアレンジすることは自由です。
著作権と著作隣接権は違う
著作権が消滅しても著作隣接権が生きているもの(音楽CDなど)は自由に使うことはできません。
しかし著作権と著作隣接権は権利の中身が異なるので、著作権が消滅すると自由に扱える幅が少し広がります。
その例のひとつが音楽CDの演奏です。
著作権には演奏権があるので、著作権が生きている間は音楽CDを自由に演奏することはできません。
音楽CDを流すことは著作権法上は「演奏」に当たります。
演奏権は著作権者が持っている権利なので、非営利目的での使用などの著作権の制限規定に該当しない場合は音楽CDを勝手に流すことはできません。
しかし著作隣接権には演奏権がありません。
著作権が切れた音楽には演奏権が存在しなくなります。
つまりバッハの曲を収録したCDは、最近演奏され収録されたものであっても演奏権は誰も持っていないのです。
そのため、たとえ営利目的であっても音楽CDを他人に聞かせることができるようになります。
ただし複製権や送信可能化権などは著作隣接権にも存在しますから、コピーして配ったりネットに投稿したりすることは相変わらずできません。
「クラシック」は古い作品ばかりではない
クラシック作品のすべてが著作権切れではないことに注意してください。
クラシックは音楽のジャンルのひとつに過ぎませんので、今でも新譜が発表されています。
新しい作品には当然著作権が存在していますので勝手に使用することは出来ません。