著作権の保護の対象にならないものたち

憲法や法律など

今までは「ほとんどのものが著作物となる」と説明しましたが、何でもかんでも著作権で保護されるわけではありません。

その代表的なものが憲法や法律です。

これを著作権で保護してしまってはいろいろと不都合が発生します。
また国や地方自治体、独立行政法人が発する告示、訓示、通達、裁判所の判決、決定、命令なども著作権の保護の対象外です。

著作権が消滅したもの

作者の死後50年以上が経過したものは著作権が消滅します。
著作権がないので著作権の保護の対象外となります。
映画の著作物は作品の公表後70年です。

ただし「著作物ではなくなる」のではなくて「著作権が消滅する」だけですから、その著作物を演奏したものには新しく著作隣接権が発生します。

詳しくは⇒著作権の保護期間参照

事実の伝達に過ぎない雑報及び時事の報道

簡単に言えば「○月○日、○県○市で火事があった」「○月○日、○○氏が死去」など、単なる事実の伝達に過ぎない情報です。
こういった情報は誰が書いても同じ表現になるため、著作物の要件である「作者の思想を表現したもの」には該当しません。

ただし新聞報道やニュースサイトの記事は著作物に該当します。
報道は単純な事実の伝達ではなく、なぜそのような事件が発生したのかや近隣住民への取材などその記者独自の方法で事件を読者にわかり易く伝えています。
記事を書く記者ごとに違う記事となり、このことに創作性があると認められるので著作物に該当します。
同じ事件でも新聞やテレビ局によって報道の仕方に差があります。

アイディアに過ぎないもの

やや意外かもしれませんが、アイディアは著作権では保護されません。

代表的な例が料理のレシピです。
料理の調理法は材料や手順をまとめただけであって、著作権の保護の要件である「作者の思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」には該当しません。

レシピ本などの文章や掲載画像は著作物として保護されます。
ただし箇条書きでごく簡単な説明のみであった場合、つまり誰が書いても同じ表現になるような文章であった場合は保護されないかもしれません。

有名店の料理や食品メーカーの商品の調理法などは「製法特許」「実用新案」、名称は「商標権」、外観(見た目)は「意匠権」など、別の権利で保護されている可能性があります。
なので、この場合は勝手にマネはできません。
ただしこれらの権利はマネをして商売をしたり他人の商売の邪魔をしない限りは問題にはなりません。
(自分の家で食べる程度であれば良いということ)

その他、創作性が認められないもの

たとえば漫画のワンシーンをそっくりそのままトレース(模写)したものはコピーと同じですから、それを描いた人独自の創作性はありません。
この場合は二次的著作物にも該当しません。
漫画をコピー機でコピーした人が「これは自分が作ったから著作権がある」なんて主張できないのと同じです。
有名な絵画の模写も同様です。

写真は著作物として保護されますが、「絵画を写真に収めたもの」は誰が撮影してもほぼ同じものになりますから、これも創作性がありません。
その写真に独自の加工を施して新しい作品を生み出した場合は著作権が発生します。
(⇒二次的著作物(二次創作)について)

ただし「著作物ではない」のではなく「制作者に権利が認められない」ということに注意してください。
漫画のトレースや絵画の写真は、原作品の作者に権利があります。

コンピュータプログラムのコードも著作物になりますが、誰が書いても同じになるごく一般的な処理については創作性がありません。

新聞記事は著作物になると書きましたが、訃報を伝える小さな欄や記事の見出しなどは誰が書いても同じような、ごくありふれた表現になることがあります。
こういったものには創作性が認められません。

意外と著作物になるもの

逆に、意外と著作物となるものに「編集著作物」「データベースの著作物」があります。
たとえば辞書や百科事典、電話帳などはそこに書かれている情報自体は作者自身の創作性はありません。
しかしそれらのデータの集合を、掲載するデータとしないデータに分別し、いかに読みやすく並べ替え、わかり易く配置するか、というところに創作性が認められます。
ただし単純に情報を寄せ集めただけのものは創作性はありません。

つまりタウンページは「編集著作物」として保護されます。
しかし情報を寄せ集めて50音に並べただけのハローページは著作物にはならないそうです。

データベースにも同様のことが言えますので、著作物として保護されます。

海外の著作物はどうなる?

日本以外の国の著作物についてはベルヌ条約万国著作権条約などの国際条約で保護の方法が定められています。
日本を含めてほとんどの国が加盟しています。

大まかに言うと、これらの条約の加盟国同士の著作物は国内の著作物と同等の保護が与えられます。
たとえばアメリカで発表された著作物は日本国内で発表された著作物と同等の保護が与えられるので勝手に使用することはできません。
私的複製やその他の著作物が自由に使える範囲内であれば問題はありません。

海外の著作物は日本国内の著作物と保護期間が異なる場合があります。
保護期間については⇒著作権の保護期間を参照。

  • 憲法や法律、著作権が消滅したもの、アイディア、ごくありふれた表現で創作性がないものなどは著作権の保護の対象にはならない
  • 海外著作物も保護の対象
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