パブリックドメイン

著作権の保護期間が終了した著作物

著作権は基本的に作者の死後50年間は著作権法によって保護されます。
(⇒著作権の保護期間)
保護期間が終了した著作物は法的な保護が消滅します。
著作権がなくなるので、著作物は誰もが自由にコピーしたり演奏したりできるようになります。
このような権利の消滅した著作物をパブリックドメインといいます。
(パブリックドメインという言葉自体は著作権以外にも知的財産権全般で使われます)

インターネット上にはパブリックドメインとなった作品を集めたサイトなども存在し、これらの著作物は自由にコピーや使用ができます。
(例:pixabay:パブリックドメインの写真を扱うサイト
青空文庫:著作権切れの小説を公開しているサイト)

保護期間の終了以外にもパブリックドメインとなる理由はいくつかあります。

権利放棄

著作権は作者自身が放棄することができます。
この場合もはや誰も著作権を保持していないので、パブリックドメインとなり自由な使用ができるようになります。

相続人の不在

著作権は作者の死後50年保護されますが、作者死亡後その権利を誰にも相続しなかった場合、著作権は消滅します。 もしくは団体の著作物の場合に団体(会社等)が倒産した場合、著作権処理を行わず誰にも相続させなかった場合も同様に消滅します。

ただしきちんと権利処理している場合も多いので、ある会社が倒産したからといってその会社が持っていた著作権は必ずすべて消滅するというわけではありません。

二次的著作物や著作隣接権に注意

パブリックドメインの著作物であっても、その作品を利用して作られた作品には新たに著作権が発生します。
たとえばバッハの作品をアレンジして新たな曲が作られれば、その曲には新たに著作権が発生します。

またパブリックドメインの作品を演奏したり録音したりしたものには著作隣接権が発生します。
バッハの演奏をCDに収録したものには演奏者やレコード制作者の権利が発生していますので勝手にネットに公開したりはできません。
著作隣接権の保護期間は作品の公表後50年です。

著作者人格権までは消滅しない

パブリックドメインとなった作品は著作権・著作隣接権は消滅していますが著作者人格権までは消滅しません。
著作者人格権とは作者の人格を保護するもので、たとえば作者をバカにするための悪質な改変などを行うことは禁止されています。

著作者人格権は作者死亡によって消滅するものと考えられていますが、死後も著作者人格権を侵害するような行為は禁止されていて、遺族によって訴えられる可能性もあります。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

著作物の再利用を促進するライセンス

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは著作者が自身の著作物を最大限に利用してもらうための再利用の許可(ライセンス)です。
単純にクリエイティブ・コモンズとも言います。

ライセンスにはいくつかの種類があります。

表示(by)

作品を利用する場合に著作者の氏名の表示要求

非営利(nc)

非営利目的での使用に限定する

改変禁止(nd)

いっさいの改変の禁止

継承(sa)

クリエイティブコモンズ・ライセンスの作品を利用して作られた新たな作品について、元作品のライセンスをそのまま継承することで配布を認める

これらを組み合わせて自身の作品のライセンスを決めることができます。 実際には

  • 表示
  • 表示 + 改変禁止
  • 表示 + 継承
  • 表示 + 非営利
  • 表示 + 非営利 + 改変禁止
  • 表示 + 非営利 + 継承

の6つのパターンが使用されているようです。

たとえば「表示 + 非営利」のライセンスの作品であれば、売り物でない自分の著作物に、そのライセンスの作品を改変した上で取り入れてもかまわないということになります。
(ただし元作品の著作権表示は必要)

「著作権フリー」ではない

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの作品は比較的自由度の高い利用ができますが、パブリックドメインのような「著作権が存在しない」ものではないことに注意が必要です。

GPL

似たようなものにGPLがあります。
これは主にソフトウェアに使用されるライセンスで、コピーレフトであることが特徴です。
コピーレフトとはGPLライセンスで公開された作品は、それを利用して作られた二次的著作物に対しても同じライセンスの元で複製や配布などを許可するというものです。
フリーソフトやプログラムのコードなどで広く普及していて、優れたコードを再利用することで開発の手間の削減や品質の向上が可能となります。

その他の「著作権フリー」

「フリー」という言葉に注意

その他、ネット上には「フリーソフト」「フリー素材」「フリーBGM」などの名前でいろいろな作品が公開されています。
これらは実は「著作権フリー」という意味ではく「利用規約などで許可した範囲でならフリー」という意味合いのものがほとんどです。

つまり著作権自体は作者が保持したままなので、利用規約の範囲外のことに使用すれば著作権侵害となってしまいます。
これは上記クリエイティブコモンズやGPLでも同じですが、その内容はサイト独自のものであることが多いので注意が必要です。
同じような利用方法でも使用OKだったりNGだったりするのできちんと確認してから利用しましょう。

ロイヤリティフリー

似たものにロイヤリティフリ-があります。
これはあらかじめ決められた範囲での使用であれば著作権利用料(ロイヤリティ)は必要ないというものです。
この場合の「フリー」は「自由」ではなくどちらかというと「無料」です。

注意点としては、ロイヤリティフリーの作品は無料利用できるものばかりではありません。
有料の作品も多く存在し、購入者はあらかじめ決められた範囲での利用なら追加で著作権使用料を払う必要はない、という意味です。

写真素材などに多く用いられている方法です。

  • 著作権が消滅したものはパブリックドメインとなり、誰でも自由に使用できるようになる
  • パブリックドメインを元に作られた二次的著作物には著作権、著作隣接権が新たに発生する
  • クリエイティブコモンズやその他のライセンスなどで許可されている範囲であれば著作物を自由に使用できる
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