なぜ著作権が必要か?

もし誰も著作権を守らないと…

前ページで著作権とはどんなものかを簡単に説明しました。
では、いったい何のためにこんなものが存在するのでしょうか。

一言で言ってしまえば、作者が生活をするためです。
著作権が正しく機能しているからこそ、漫画家は漫画を、音楽家は音楽を作ることで生活ができるのです。

著作物は他人が勝手に使用することができません。
その作品をどんな店に置いて、どんな宣伝をして、いくらで販売するか…というようなことを作者が決めることができます。
実際はそういったことは「作者と契約をしている」出版社の仕事になりますが、どこの出版社と契約するかも作者が決めることができます。
ジャンプで漫画を描きたければジャンプに持ち込みすればいい、それは作者の自由ということですね。

しかしこの当たり前のことも、著作権があるからこそ可能なのです。
もし著作権がないと、誰もが勝手に本をコピーし、配布できてしまいます。
一冊300~400円ほどのコミックスがコピー本なら100円で買える、もしくはネットでタダで読める…なんてことになったらどうなるでしょうか。
多くの人はコミックスは買わなくなりますね。
そうなると漫画家は本が売れないので生活できなくなります。

著作権法の趣旨は「文化の発展に寄与すること」です。
作者が生活をするためというのはかなり偏った見方かもしれませんが、大きく外れているわけでもないと思います。
元々は印刷技術の登場により、「印刷物はお金になる」ことから権利として保護し、無秩序な印刷を規制したという経緯があります。

さらにヒドくなると

これがもっとヒドくなると、漫画家や音楽家などの作品を作る人、志す人がいなくなります。
まともな収入が得られない仕事仕事は誰もやりたくないからです。

そうなると、終いには面白い作品を作ってくれる人がいなくなります。
さらに、著作物を流通させる出版社などもなくなってしまいます。
私たちは漫画や音楽、アニメ、映画などを当たり前のように楽しんでいますが、これも著作権が正しく働いているからこそです。
著作権が守られないとまわりまわってみんなが損をすることになります。

じゃあプロじゃなければ大丈夫?

最近はネット上で、プロではない素人による作品もたくさん公開されています。
この人たちはその作品で生活しているわけではないので著作権法では守られていないのでしょうか?

答えはバツです。
著作権はプロでも素人でも関係なく、その作品が作られた瞬間に自動的に発生します。
どこかの専門機関に申請して認められるようなものではありません。
小学生の作文にも、何気なく歌った鼻歌にも著作権はあります。

プロでも素人でも、作品が有料でも無料でも、他人の作品を尊重することで文化の発展につながります。
自分が苦労して作った作品を他人に簡単に真似されてしまうと創作意欲がなくなってしまいます。
アマチュアが沢山いるからこそ、そこから将来のプロが生まれます。

もしあなたが趣味でネット上にオリジナルのイラストを公開していて、それが無断で他のサイトに転載されていたら、あなたは著作権侵害を主張することができます。

  • 著作物の作者は、作品の売り上げによって生活している
  • 著作権を守らないと良い作品が生まれなくなる
  • 著作権は作品が作られた瞬間に自動で発生する
  • 素人の作品であっても著作権で保護される